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KindleのX-Ray機能を比較検証

2014年12月12日にAmazon.co.jpへの対応が正式に発表された、X-Ray機能。Kindle本のテキストや画像を分析し、「登場人物」や「トピック」、「画像」といった項目毎にその表示回数や表示ページ、Wikipedia情報などを網羅してくれる機能です。

Kindleが目指している“すべての書籍が繋がる世界”に一歩を踏み出す新機能、X-Rayを実際に各OSのタブレットで比較検証してみました。

X-Rayの対応端末と対応しているKindle本

X-Rayが利用できるKindle本は発売日に関係なく、“対応した”書籍となります。昨年末の発表時点では、本国アメリカの英語書籍で15,000冊、日本語書籍で1,500冊です。最近発売された作品だからと言って必ずしも対応している訳ではなく、Amazon側でピックアップしたタイトルを対応させているようです。

対応端末については、すべてのKindle/FireタブレットとiOS、Androidが対象とのことですが、今回検証したAndroidタブレット ASUS MeMO Pad 7(ME572CL)とASUS MeMO Pad 8(ME181C)では、いずれもX-Ray機能がメニューに表示すらされませんでした。端末依存のバグがあるのかあるいは各書籍の対応状況がOS毎に異なるのかもしれませんが、詳細は不明です。というわけで、今回はiOSとFire OSでそれぞれ機能をみていきます。

ちなみにAndroidでは、単語をハイライトすると、WikipediaやWebの検索結果にワンタッチでとべるようになっています。

iOSのX-Ray機能

iOS版KindleのX-Ray機能は右上のメニュー項目と左側のスライドメニューに表示されます。特に単語や文章をハイライトせずに、[X]ボタンをタッチするだけで、X-Ray画面が表示されます。

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iOS版のKindleに表示されるX-Rayボタン

今回調べた範囲では、iOS版KindleのX-Rayには「人」と「用語」の項目のみが表示されました。サンプル画像として使用した『電子書籍で1000万円儲かる方法』には、画像も含まれているのですが、画像は分析されませんでした。

各項目毎にWikipediaの冒頭テキストと、本文中の登場箇所を示した分布図が表示されます。固有名称もあれば、一般名詞も含まれており、X-Rayする単語の抽出基準は、Wikipedia掲載の有無のようにも思えますが、他の基準があるのかもしれません。

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iOS版KindleでX-Rayを開いたところ

各項目にタッチすると、Wikipediaの記事全文が表示され、キーワードが含まれる本文中の該当テキストが表示されます。

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X-Rayで表示された項目を詳細表示

Fire OSのX-Ray機能

Fire OSのX-Ray機能もiOS版と同じく画面右上のメニュー項目と左側のスライドメニューに表示されます。使い方も同じです。

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Fire OSのX-Rayボタン

Fire OS版で、iOSと同じ作品をX-RayしたところiOSでは表示されなかった「画像」の項目がありました。他の作品でも、画像が含まれるリフロー型の作品については、「画像」の項目が表示されました。

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Fire OSのX-Rayでは「画像」の項目も表示された

「画像」の項目は、他の項目と違い、本文中に表示されたすべての画像の位置を示す分布図と選択した画像のキャプションが表示されます。選択した画像をクリックすると、画像が拡大表示され、該当ページにリンクしています。

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X-Rayで「画像」を詳細表示

今回検証した他のX-ray対応作品には、ちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』や青空文庫の『三国志 01(序) 』、『コナン・ドイル全集』なども含まれており、無料本やパブリックドメインの作品も対象になっているようです。

特に『コナン・ドイル全集』では総勢132人の登場人物がX-Rayされていて、このX-Rayを読むだけでも作品を別の角度から味わうことができます。一方で、英傑像が魅力の『三国志01(序)』では人物が一人もX-Rayされず、残念無念・・・

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『三国志』の「人物」は残念ながら対応しておらず。。。

X-Rayってどうなの?

実際のところ、これといって派手な機能でもありませんし、対応作品数も少なく、作品毎の対応状況も異なっている状況です。ですが、あとはX-ray機能がアップデートされ、紐付けされる情報が増え、対象作品が増えてていく“だけ”になっているとも思えます。

「作品中に登場するブランド名や商品名をタッチすると、Amazonの販売サイトの画像が表示され、購入できる」とか「地名からその地理や歴史的背景が表示される」とか、「参考文献からコピペした箇所が自動認識される」とか、これから追加されうる機能はまだまだたくさん。これからでしょう。

KDP制作者側としては、制作したコンテンツの分析ツール・校正ツールとしても使えれば嬉しいですが、それにはまだ時間が必要そうです。

ひとまずは登場人物が多い小説などでX-rayが対応していたら、是非使ってみてください! 、ということで。

今回検証サンプルで登場したKindle本はこちら