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相撲錦絵

撲の歴史を紐解いていくと、その端は日本国創世神話の中に記された古代日本人の力比べにまで遡る事ができます。

「古事記」の中では建御名方神(たけみなかたのかみ)と建御雷神(たけみかづちのかみ)が出雲の国をかけて争い、建御雷神が勝利を収めたと伝わっています。

 

代の変遷とともにその様式は少しずつエンターテーメント性を帯びるようになり、江戸時代になると寺社への寄付を募る催しの一つとして勧進相撲が全国各地で開かれるようになりました。

そして江戸文化が大きく花開いた江戸時代中期から後期にかけて、土俵の整備や行司による土俵入りなど、現代の大相撲の基礎が築かれたのです。

 

戸の一般庶民にとって相撲は歌舞伎と並ぶ人気の娯楽でした。

そこに目をつけた版元は人気力士達の錦絵(浮世絵)をこぞって出版。歌川重宣(三代目歌川広重)や歌川国貞(三代目歌川豊国)など当時人気の浮世絵師達が、数々の相撲錦絵を手がけました。

本書では歌川国貞の作品を中心に一枚一枚を高解像度画像のまま編集、収録しています。

そこには緊張感溢れる力士の表情や隆々とした立ち姿のみならず、興行を楽しむ人々の姿や相撲部屋の雰囲気までもが精彩な色使いと躍動感ある線描で描かれています。

 

絵に描かれた取組みや力士の立ち姿には、一人一人の醜名や興行場所も附されています。

境川や不知火、雲竜…どこかで聞き覚えのある醜名も数多く出てくるかもしれません。電子書籍で甦る江戸大相撲の浮世絵世界、是非ご堪能ください。

(LDP)

相撲錦絵
相撲錦絵

【著者】歌川国貞ほか 【編集】LOGDESIGN publishing

【ページ数】52ページ

【出版日】2014年9月15日(第1版)

相撲錦絵